怪しい案件との戦い

応募した案件から、ようやく返信が来た。

「記事チェック」案件。報酬600円。

お、来た。ついに初案件か。

……と喜んだのも束の間、メッセージを読んで、手が止まった。

「仮払い完了後、チャットワークに移行します」

え?これって、大丈夫なやつか?

すぐにAIアシスタントにPCの画面をスクショし画像を送った。

「これって怪しい?」

AIの最初の反応は明快だった。

「断定はできませんが、かなり怪しいです」

うーん、怪しいのかー。

言われたポイントはこんな感じ。
・クラウドワークス外への誘導
・Googleフォーム入力
・本名、電話番号の入力

確かに、言われてみれば怖い。

ただ、いくつか気になることもあった。
添付されていたマニュアルを開くと、
……ちゃんとしている。

説明動画を見てみると、
……ちゃんとしている。

チェック項目も細かい。
逆に、本物っぽい。

判断が分からなくなってきた。

「これ、本当に詐欺なのか?マニュアルを見てくれる?」
と、追加で画面のスクショ5枚をAIに送る。

返ってきた答え。

「マニュアルは本物です。正規の業務である可能性が高い」

「ただし、個人情報を渡すリスクは残ります」

どっちやねん。

AIと、ああでもない、こうでもない、とやっていると
気づけば、30分以上経っていた。

途中で、別の疑問も出てきた。

そもそも、チャットワーク移行って規約違反なのか?

「本当に規約違反になるか確認してほしい」

AIがWeb検索を開始した。

結論は、微妙だった。

「結論:グレーゾーンです。」

契約後なら問題ないケースもあるらしい。
ただ、外部で個人情報を渡すのはやっぱり怖い。

完全アウトとも言い切れない。
でも、安心もできない。

いちばん困るやつだった。

さらに気になったのは作業量。

説明動画。
大量のチェック項目。
細かい確認作業。

だんだん思えてきた。

「これ、600円でやる内容か?」

AIにも聞いてみた。

返事は即答だった。

「その判断は完全に正しいです。時給換算で300〜500円程度になる可能性が高いです」

……ですよね、、

最後まで少し悩んだ。

ちゃんとした案件かもしれない。
でも、個人情報を渡すのは怖い。

何より、作業量に対して報酬が軽すぎた。

結局、辞退することにした。

送ったメッセージはシンプル。

「誠に恐れ入りますが、今回は辞退させていただきます。
お忙しい中ご対応いただき、ありがとうございました。」

シンプルに、丁寧に。

送信完了。

今回、AIと一緒にかなり悩んだ。

一人だったら、たぶん判断できなかったと思う。

「実績作りだから」
「最初はこんなものか」

そう思って、普通に進めていたかもしれない。

AIで稼ごうとしているのに、今はAIに助けられている。

なんだか変な感じだ。

でも、とりあえず今回は無事に?撤退。

これが、今の私の現実だ。

怪しい案件との戦いは、まだ続きそうである。